一保堂茶舗「お茶」

一保堂茶舗「お茶」 お茶
出典:一保堂茶舗

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京都・寺町二条からの香り。

京都・寺町二条を歩いていると、ふと足を止めたくなる香りがあります。町家づくりの店先から、炙った海苔のような香ばしさと、青い草いきれが混ざったような茶の匂いがふわりと流れてきます。その源が一保堂茶舗です。煎茶、玉露、抹茶、番茶。どの茶も、最初の一口で「ほっ」と息がほどけて、飲み終えたあとに静けさだけが残ります。

急須に茶葉を入れ、お湯を少し冷ましてから注ぎ、しばらく待つ。ふだんは見過ごしてしまう何十秒かの時間を、一保堂のお茶はちゃんと味に変えてくれます。「今日はちょっと、真ん中の自分に戻りたいな」と思ったときに、そっと頼りたくなる一服です。

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一保堂茶舗「お茶」
出典:一保堂茶舗

お茶と向き合って、300年。

一保堂茶舗の始まりは、1717(享保2)年までさかのぼります。近江出身の商人・渡辺利兵衛が、京都・寺町で「近江屋」という屋号のお店を開き、お茶や茶器、陶器を扱いはじめたのが最初だと伝わっています。当時の京都は、政治の中心を江戸に譲りながらも、文化と教養の都としてにぎわい、お茶は武家だけでなく町人にも広がり始めたころでした。

利兵衛は、宇治や山城の茶畑を歩き回り、その年いちばん状態の良い茶葉を仕入れては、自分の舌と鼻で確かめながらブレンドしていきます。産地や畑を固定せず、「その年のいちばんおいしい茶葉を選び、味をそろえる」というやり方は、いまの一保堂が大事にしている「合組(ごうぐみ)」の考え方とつながっています。

1846(弘化3)年には、皇族である山階宮から「茶、一つを保つように」という意味を込めて「一保堂」という屋号を賜ります。茶とまっすぐ向き合いなさい、という短い言葉が、その後の店の背筋を決めたともいえます。幕末から明治へと時代が変わり、紅茶やコーヒーが新しい飲み物として流行しても、一保堂は「日本人の体にやさしい旨味の茶」を軸に商いを続けました。

戦前戦中には、茶葉の統制や供出で思うように茶が扱えない時期もありましたが、戦後、焼け残った店からふたたびお茶の香りを街に戻していきます。昭和30年代には、京都だけでなく全国の百貨店に出店し、「京都のお茶」を家庭の食卓まで届ける役割を担うようになります。やがて、茶道家元への納入や、濃茶にも耐える抹茶づくりを通して、茶の湯の世界からの信頼も厚くしていきました。

平成に入ると、東京・丸の内やニューヨークにも店を構えます。寺町二条の小さな茶商から始まった一保堂の茶が、いまは海外の料理人やバリスタにも選ばれるようになりました。それでも本店の工房では、創業のころと同じように、茶葉を手で触り、焙煎の音を耳で聞きながら、一釜一釜仕上げています。三百年の歴史は、派手な出来事の積み重ねではなく、「今日もいつもの味に仕上げよう」という、地道な毎日の連続なのだと感じさせられます。

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一保堂茶舗「お茶」
出典:一保堂茶舗

音を聞いて、香りをつくる。

一保堂の茶づくりは、急ぐことといちばん遠いところにあります。茶葉を焙煎するとき、職人たちは温度計だけでなく「音」を聞いています。ぱちぱち、と茶葉が鳴き始めたら、香ばしさが立ち上がる合図です。ここで火を強くしすぎると焦げた香りになってしまい、弱すぎると青さが残ります。そのぎりぎりの境目を、耳と鼻と目で見極めて火を止めます。

また、一保堂の茶は単一の畑だけで仕上げるのではなく、複数の産地の茶葉を合わせる「合組」を基本としています。畑や年ごとに変わる茶葉の個性を見ながら、「香りの高さ」「旨味の深さ」「後味の軽さ」が同じラインになるように組み合わせていきます。農作物としての“揺れ”を受け止めつつ、飲み手には「いつもの味」として届くように整える。そこに茶舗としての矜持がにじみます。

玉露は、海苔のような深い香りととろりとした旨味があり、煎茶は山吹色の水色とすっきりした後味が持ち味です。抹茶は、碧い香りとまろやかな甘さが一体になっています。どの茶にも共通しているのは、「香りが先に立ちすぎず、最後にそっと残る」というバランスです。飲み終えたあとに、口の中よりも肩の力が抜けている。その感覚こそが、一保堂の茶が仕立てている「香りの仕事」なのだと思います。

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出典:一保堂茶舗

茶碗のなかの、流れる風景。

湯を注いだ瞬間、茶碗の中に小さな景色が生まれます。玉露なら、深い翠色の水面に、湯気がほそい霧のように立ちのぼります。煎茶なら、少し明るい山吹色が、縁の白磁と美しいコントラストをつくります。抹茶なら、きめ細かい泡がふわりと立ち、表面にさざ波のような模様が浮かびます。

一保堂の茶は、味だけでなく「見た目の静けさ」も大切にしています。光の入り方や器の厚み、湯の温度によって、茶の色は少しずつ変わります。その揺らぎをひっくるめて楽しんでほしいという思いが、「嘉木(かぼく)」と名づけられた本店の喫茶室にも表れています。そこでお茶をいただいていると、茶碗の中の世界に、季節や時間、いま一緒にいる人の気配までが映り込んでいるように感じます。

お茶を飲む、というより、ひととき「景色を飲む」。忙しい毎日の中で、数分だけそういう時間を持てることが、意外なほど心の余裕につながっていきます。一保堂のお茶は、その入口を静かに開いてくれる存在です。

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急須のある暮らしを、あなたに。

ペットボトルのお茶やティーバッグが当たり前になった今、急須を持っている家庭は昔より減っているかもしれません。それでも一保堂は、「自分で淹れる一杯には、値段以上の価値がある」と考えています。本店や丸の内店の喫茶では、スタッフが淹れてくれるだけでなく、お客さま自身が急須を手にして、お湯の温度や抽出時間を試しながら味わう体験も用意しています。

最初は少し緊張しながら急須を傾けていても、二煎目、三煎目と進むうちに、湯の量や注ぐ速さが自然と整ってきます。その変化を舌で確かめるうちに、頭の中に散らばっていた情報が少しずつ静まり、「いま、ここ」に意識が戻ってくる感覚があります。スマートフォンを見る手をいったん止めて、湯気を眺める数分間。そんなささやかな時間こそが、現代の暮らしに足りなくなっているものなのかもしれません。

一保堂のお茶は、急須がある暮らしをもう一度取り戻すための、小さなきっかけになります。お気に入りのカップでも、急須でも構いません。お湯を沸かして茶葉を量り、自分のためだけに一杯を淹れる。その行為そのものが、自分をいたわるひとつの習慣になっていきます。

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一保堂茶舗「お茶」
出典:一保堂茶舗

やさしくなれる、不思議な飲みもの。

一保堂の茶を飲んでいると、ときどき懐かしい風景がよみがえります。祖母の家のちゃぶ台、寺の縁側、雨の日の畳の匂い。そうした記憶は、細部まで覚えていなくても、茶の香りと一緒にふっと立ち上がってきます。お茶は、おなかを満たす飲み物というより、「心の居場所」を思い出させてくれるものなのだと感じます。

一日の終わりに、一保堂の茶をゆっくり飲むと、「今日もなんとかやり切ったな」と、少しだけ自分に優しくなれます。明日の予定や、過去の失敗や、まだ来ない心配ごとはいったん脇に置いて、「いま、温かいお茶を飲んでいる自分」にだけ焦点を合わせる。その短い時間が、また明日も頑張ろうと思える力を静かに蓄えてくれます。

三百年という時間をかけて、一保堂茶舗が磨き続けてきたのは、きっと茶葉そのものだけではありません。「一服で人の心を保つ」という屋号のとおり、飲む人の心が自分の居場所に戻っていく、その感覚そのものを育ててきたのだと思います。忙しい時代だからこそ、その一服を暮らしのどこかに置いておきたいです。

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